日本の多くのマンションに
被災時の「道標」を届けたい
マンション地震対応支援協会 会長 堀 邦夫
大規模震災時に何を対応して良いかわからない日本の多くのマンションに被災時の「道標」を届けたい。
2016年、私たちは熊本地震を経験しました。マンションは大きく被災し、避難生活から復旧まで多くの困難がありました。多くの人にとって大規模震災は経験したことのない中で、被災したらどうしたら良いか分からなくなります。そのため、発災時にマンションで住民が必要な行動をとれるために「道標」が必要となります。そこで、マンションでの震災体験を時系列・体系的にまとめ、被災経験の知恵を生かした「マンション地震対応箱MEAS」をつくりました。マンション地震対応支援協会では、全国のマンションのみなさんと“大規模震災時にマンションで必要な対応が取れる地域社会”を実現するために普及活動を進めております。マンションで地震対策をご一緒に進めていきましょう。
マンション地震対応支援協会 特別技術顧問 古賀 一八
1995年、阪神・淡路大震災が起きたとき、被災したマンションをどう直すのか誰もわかっていませんでした。私は、建設省のプロジェクトで用意されたマニュアルを使って386棟のマンションを直しました。その後2011年に東日本大震災、2016年に熊本地震が起きた際に、阪神・淡路大震災の経験が全く生かされていないということに気づきました。
今後また別の場所で大規模震災が起きたとき、震災直後から復旧対応まで同じ苦労をしなくてすむように、熊本県マンション管理組合連合会のみなさんと被災経験を指示書にまとめ、対応をできるようにした「マンション地震対応箱MEAS」をつくりました。被災時はマニュアルが利用しにくいため、”こうやってください”と指示が書いてあるカードであれば、迷わずに動くことができます。地震が起きてから補修して、元の生活に戻る全てが「マンション地震対応箱MEAS」に入っています。大規模震災時に何を対応したら良いかわからない多くの日本のマンションで活用されることを願っています。